Barkibu、Stripe の利用により売上が 3 間年で 3,000% 以上増加

Barkibu は、2014 年にペット向け遠隔医療プラットフォームとして創業。その後、ヨーロッパで最も急成長しているペット健康保険会社の 1 つに成長しました。同社は Stripe を活用して、ペット保険のサブスクリプション管理、決済処理、AI 機能による保険金の即時支払いを実現。さらに、顧客が Barkibu の資金で動物病院の治療費を直接支払える革新的なカードプログラムも立ち上げました。

使用製品

    Payments
    Billing
    Elements
    Issuing
ヨーロッパ
スタートアップ

課題

ガリシアを拠点とする Barkibu が 2021 年にスペインでペット保険サービスを開始した際、ペット保険業界が直面する「立て替え払い」という根本的な課題に直面しました。ペットの飼い主は、数千ユーロにもなる動物病院の費用をいったん自分で支払い、その後に保険金の払い戻しを受ける必要がありました。この仕組みによって、お金の不安が生じるタイミングが、ちょうど「ペットの健康が心配で精神的に大変なとき」と重なってしまうという問題が起きていました。この状況は、顧客がペットの健康に集中したいまさにそのタイミングで、経済的な不安を引き起こしました。Barkibuの共同創業者である Pablo Pazos 氏は次のように述べています。「お客様が求めているのは安心感です。ペットの健康を心配しているときに、お金のことなど考えたくありません」

長年にわたり、商品と市場の適合性 (プロダクトマーケットフィット) を最適化するためにビジネスモデルを何度も見直してきた Barkibu は、単なる「別のペット保険商品」を作ったわけではありません。業界における最大の不便さを、テクノロジーの力で解決することを目指したのです。その実現のために、同社には技術的に信頼性が高く、かつ顧客中心のアプローチに根ざした決済代行業者が必要でした。Pazos 氏は次のように述べています。「大切なのは、どのような条件を補償するかではなく、どのように補償するか、つまり、どれだけ迅速に請求処理を行い、顧客に返金できるかです」

Barkibu のチームは、単発の支払いにも継続的な保険料の支払いにも対応でき、将来的な国際展開を見据えた拡張可能な決済処理が必要であることを認識していました。

顧客による立て替え払いをなくすという中核的な課題を解決するために、動物病院への即時送金を試みましたが、病院側の参加が障壁となり、実現は困難でした。次に同社は、BaaS のスタートアップと提携し、自社のカードプログラムを立ち上げようとしました。しかし、システムの導入や顧客体験があまりに煩雑で負担が大きく、この方法もうまくいきませんでした。Barkibu に必要なのは、顧客がヨーロッパのどの動物病院でも自己負担なしで支払えるようにし、すべての取引を可視化・管理することでリスクを適切にコントロールできるソリューションでした。

解決策

2015年 から連携してきた経緯もあり、Barkibu はすでに Stripe の開発者志向のアプローチに信頼を寄せていました。Pazos 氏は次のように述べています。「ソフトウェア開発者が創業した企業と、ビジネス畑の経営者が率いる企業とでは、重視する点が異なります。Stripe を選択したのは、それが開発者にとって最適なソリューションだからです」

ペット保険商品を立ち上げる際、Barkibu は Stripe Payments を決済処理に採用し、まずは Stripe Checkout の利用から開始しました。ビジネスの成長につれ、より高い制御性を求めて Stripe Payment Element のカスタマイズ可能な UI コンポーネントを採用。その後、Stripe の API と SDK を活用して自社の要件に合わせたソリューションを実装しました。

Pazos 氏は次のように述べています。「サービスを開始した当初は、ただ機能することが最優先でした。このため、商品を設定するだけで機能する Stripe の決済ページをそのまま使用しました。最終的には、事業の成長と成熟に伴い、ファネルチームがより自由に制御できる環境を求めるようになったことを受け、Elements の利用へと移行し、顧客体験の最適化を進めました」

Barkibu は現在、Stripe 決済ソリューションを使用しています。Stripe Payment Element を通じて埋め込み型 UI コンポーネント、豊富な決済手段、柔軟な導入機能を活用することで、スタートアップからスケールアップへの成長を実現。同プロダクトの利用により、市場ごとに現地で好まれる決済オプションを提供できるようになりました。スペインの顧客はクレジットカードとデビットカードを好む一方、ドイツの顧客は SEPA 送金を好みます。同社は Apple Pay をはじめとするデジタルウォレットにも対応しており、特に iPhone ユーザーが多い顧客層の間では Apple Pay の人気が高くなっています。

Barkibu は、顧客の継続的な保険料支払いを管理するために Stripe Billing を導入しました。サービス開始時には Stripe のデフォルト設定を使用しましたが、支払いに関する顧客とのやり取りなど、請求機能を徐々にカスタマイズしました。同社は、ヨーロッパの全市場で一貫した商品戦略を管理しながら、地域ごとの決済手段に対応するアプローチが必要でした。また、ペットの品種、性別、年齢に応じて同じ商品に数百種類の異なる価格を設定しているため、Stripe Billing を採用すれば、こうした多様な価格を処理するための会計時の負担を軽減できると判断。さらに、Billing を基盤に紹介プログラムをゼロから構築しました。継続請求の失敗を減らすため、支払い再試行の最適な日時を判断する督促機能「Smart Retries」も活用しています。

このように改善を重ねることで、Barkibu の決済機能は強化されましたが、「立て替えによる飼い主の金銭的負担をなくす」という同社最大の課題が残されていました。その解決策は画期的なものでした。保険に加入するとバーチャルカードが即時発行され、後日自宅にクレジットカードが届くというカードプログラムを導入したのです。

Pazos 氏は次のように述べています。「解決策を見つけることができました。これほど嬉しいことはありません。ヨーロッパの保険業界で立て替えをなくしたのは、当社が初めてです」

リスク管理のために、Barkibu は Issuing を通じて、カードの使用先を「動物病院として分類されている加盟店」に限定する制御機能を導入しました。さらに、取引明細を AI で分析し、保険対象となる費用かどうかを判断する機能も自社で開発しました。Stripe のリアルタイム API と詳細な取引データにより、不適切なカード使用を即座に検知・対応することが可能になりました。

結果

4 つの欧州市場に拡大、現地の決済手段にも対応

Barkibu はフランス、ドイツ、イタリア、ポルトガルに進出する際に Stripe Payments を利用することで、現地の決済手段に対応できるようになりました。同社は今後、ペット保険だけでなく、ヨーロッパでペット向けの主要な健康サービスプロバイダーとなることを目指しています。

紹介とクーポン機能の導入で顧客獲得を促進

Barkibu は Stripe Billing 上に強力な紹介システムを構築し、これが同社の主要な顧客獲得チャネルの 1 つとなりました。Stripe のクーポン機能を活用してアフィリエイト向けのプロモーションと顧客向けのインセンティブの両方を管理し、これらの割引をサブスクリプション請求プロセスにシームレスに適用しています。

Smart Retries により決済不履行による解約が減少

Stripe Billing の支払い失敗時の自動再試行機能により、Barkibu は顧客の継続的なサービス利用を維持し、サブスクリプションビジネスにおける決済不履行による解約を最小限に抑えています。現在、失敗した支払いの大部分は最初の再試行で成功しています。

Barkibu カードプログラムの利用者が 2 カ月で 238% 増加

Stripe Issuing を活用した Barkibu カードは急速に利用が拡大しており、2025 年 1 月に 2,368 人だったユニークユーザー数は、2 月には約 5,000 人、3 月には約 8,000 人にまで拡大しました。わずか 2 カ月間で 238% の増加を達成したことになります。今後、同社の 7 万 5,000 人の顧客の間で普及が進めば、さらに利用が拡大するものと予想されます。

Issuing の導入で動物病院からの問い合わせが殺到

Barkibu カードは、同社にとって動物病院との提携拡大を進めるための最も効果的な手段となりました。Pazos 氏は次のように語ります。「毎日のように、動物病院の方からメールや電話をいただいています。病院の利用者は、事前の支払いが不要な当社のサービスに大変満足しているようです」

100% リアルタイムで取引の確認が可能

Stripe Issuing の API 優先アプローチにより、Barkibu はすべてのカード取引を完全に把握して、管理できるようになりました。Pazos 氏は次のように説明しています。「Stripe Issuing を使えば、すべての取引状況を即時に把握できます。課題は取引情報へのアクセスではなく、当社自身の技術にあります。取引情報を十分に把握していなければ、この商品はリリースできなかったでしょう」

Stripe を利用した効率化により、売上が 3 年で 3,025% 増加

Barkibu は急成長を遂げ、2021 年に 80 万ユーロだった年間売上高は、2024 年には 2,500 万ユーロに増加。3 年間で 3,025% の成長を達成しました。この期間中、Stripe の統合型プラットフォームが Barkibu の事業で中心的な役割を果たしたことから、サブスクリプション請求の管理と全市場における独自の単一商品戦略の維持が可能になりました。Stripe を通じて保険料の入金と保険金の支払いの両方を処理することで、Barkibu は 2027 年までに 1 億ユーロの売上達成を現実的な目標として見据えています。

シンプルな料金体系

手数料によるわかりやすくシンプルな料金。 初期費用や月額費用の固定費はありません。

簡単に導入開始

わずか 10 分程度で Stripe に登録し利用開始できます。